忘れられがちだが、高齢者にとってフットケアはとても重要だ。高齢者がフットケアを重要とする理由は、加齢により足の筋肉が衰えてきて、歩行が困難になってくることにある。年齢を重ねてくると、だんだん歩くのが億劫に感じてしまい、どんどん歩行の機会が減っていく。そして、歩行する時間が短いことで、足裏の筋肉が衰えてしまうのだ。
歩行しないことで、足の裏の筋肉が衰え、アーチが崩れやすくなってしまう。その結果、扁平足になる可能性が高くなる。だが、その変化は本人でさえ気づきにくいため、知らず知らず悪化する可能性が高い。そして、アーチが崩れたまま歩いたりしていると、偏った力が足の裏に加わってしまい、股関節痛や膝痛の原因となってしまうこともあるのだ。フットケアをすることで、こうした足裏の変形を見逃さないためにも必要なことだ。
高齢者にフットケアが重要な理由は、爪や足の裏などをチェックするためだ。足の裏などの角質層にいる、白癬菌という常在菌は気温や湿気が高いと繁殖する。白癬菌が増殖した場合、指がしっかりと地面につけることができずに、転倒のリスクを上げることになる。また、足の裏に魚の目やタコがあったら、同じく歩行バランスを崩す恐れがある。定期的にフットケアをおこなうことにより、爪や足の裏に生じる微妙な変化を感じとることができて、早めの対処もしやすくなる。フットケアをするときには、爪や足の裏を丹念にチェックすることを心がけよう。